COLUMNコラム
肺炎球菌肺炎によるCOPD増悪を予防しましょう
肺炎球菌は市中肺炎の最も多い原因菌であり、特にCOPDなどの呼吸器疾患をお持ちの方は、疾患増悪を来す原因として、インフルエンザ桿菌と並んで、頻繁に経験する細菌です。
COPDは、肺炎球菌などの感染症による増悪を繰り返すことで、段階的に呼吸機能の悪化やADLの低下を伴い、生命予後の増悪にも繋がる場合があります。
そのためCOPDの方は、増悪を繰り返さないように管理することが重要であり、呼吸困難感や息切れの増悪、または咳や痰などの症状の増加を自覚した際は、早めに『呼吸器内科』を受診していただくことが肝要と考えます。
肺炎球菌ワクチン接種は、肺炎球菌感染症の予防として、またCOPDの増悪を予防する手段として有効と思われますので、対象の方は接種をお勧めしております。
今年度の肺炎球菌ワクチン接種対象の方は、過去に肺炎球菌ワクチンの接種歴がなく、2019年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳を迎えられる方、または60歳以上65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸機能、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害を有する方(身体障害者手帳1級を有する方および1級相当の障害を有する方)です。
対象となる年度においてのみ、定期接種としての公費助成が受けられますので、接種を希望される方は、神戸市より送付される案内ハガキをお持ち下さい。
また当院の呼吸器内科外来は、全て日本呼吸器学会『呼吸器専門医』が担当しておりますので、肺炎球菌ワクチン接種だけではなく、COPDなどの呼吸器疾患をお持ちの方も、専門性を活かして迅速かつ丁寧に診察させていただきます。
健診の呼吸機能検査で初めて閉塞性障害を指摘されたという方から、在宅酸素療法(HOT)を使用しておられる方まで、COPDなどの慢性呼吸器疾患と上手に付き合って行けるようにお手伝いさせていただきますので、いつでもお近くの『呼吸器専門医』に御相談下さい。