COLUMNコラム
カモガヤ花粉症の季節になりました
花粉症をお持ちの方は、5月下旬に差し掛かり、少し症状が落ち着かれた方も多いのではないでしょうか。
我が国はスギとヒノキの花粉症の方が多く、例年であれば4月頃にスギ花粉からヒノキ花粉にピークが移り、5月頃になるとヒノキ花粉も飛散量が減るため、花粉症の季節は過ぎ去ったかのように思われています。
しかし、スギやヒノキ花粉症の方の中には、5月中旬を過ぎても花粉症症状が続いていて、お悩みの方もいらっしゃいます。
実はこの症状、カモガヤ花粉症によるものかもしれません。
カモガヤはイネ科の雑草で、公園や歩道、河川敷など、何処にでも生えている草です。
スギ花粉症の約半数の人が、カモガヤ花粉症を併せて持っていると言われており、その他のイネ科の植物に対しても同様に花粉症症状を起こすため、カモガヤ花粉症は一般的にはイネ科花粉症として広く認識されています。
イネ科の植物は例年5月から9月頃に花粉を飛散させますが、特にカモガヤは5月から梅雨の時期にかけて花粉の飛散量が多く、カモガヤ花粉症の方は、スギやヒノキ花粉症の症状が一旦落ち着いた頃に、また症状が再燃するという経過が多いようです。
カモガヤ花粉の飛散距離は約200m程度であり、10km単位で飛散するスギやヒノキ花粉と比べて短いので、生えている地域を把握して近づかないことで、症状を予防できる可能性があります。
またカモガヤ花粉症をお持ちの方は、メロンやスイカなどを食べることで、口腔内が痒くなったり、喉がイガイガしたりすることがあるかもしれません。
これは口腔アレルギー症候群(OAS:Oral allergy syndrome)と呼ばれており、メロンやスイカなどの果物が、カモガヤ花粉と共通の蛋白抗原を有していることにより、口腔や咽喉頭などの粘膜に接することで、局所アレルギー反応を起こすためと考えられています。
この症状は局所反応によるもので、また共通の蛋白抗原は熱や胃酸で変性するため、メロンやスイカがクリームなどでコーティングされている場合や加熱してある場合、また胃に到達して胃酸に触れた以降は、症状は起こらない場合があります。
この季節になっても花粉症症状が長く続いている、または症状が再燃してきたという方は、まず御自身が何のアレルギーをお持ちか一度整理して確認するため、検査を受けられることをお勧めいたします。
当院でも日本内科学会『総合内科専門医』が、その他のお身体の気になる点も併せて、全身を包括的に診療させていただきますので、どうぞお気軽に御相談下さい。