COLUMNコラム
COPDを知っていますか?
COPDという病気を聞いたことはありますか?
COPDは慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)という肺の病気で、患者さんの90%以上が喫煙を原因として発症します。
最近では噺家の桂歌丸さんが、COPDによる慢性呼吸不全のため、酸素吸入のためのチューブを付けておられるのを、テレビでもよく拝見しました。桂歌丸さんは2009年にCOPDと診断され、幾度ものCOPD増悪に悩まされながらも生涯現役を貫き、2018年に旅立たれましたが、晩年は噺家として高座に上がられる傍らで、「COPDという病気を知ってほしい」と、COPDの予防・早期発見の啓蒙活動にも力を入れられていたようです。
我が国ではCOPDの患者さんが530万人以上もいると言われており、90%以上は喫煙を原因として発症します。御自身が喫煙しない方でも、受動喫煙によってCOPDを発症することがあります。また喫煙以外の原因として、大気汚染や職業的な化学物質暴露も誘因になることがあります。
COPDの主な症状としては、「風邪もひいていないのに咳や痰が出る」「階段や坂道で息切れがする」などがありますが、自覚症状がないままに健診の呼吸機能検査で異常を指摘されて、呼吸器内科外来を受診される方も多くいらっしゃいます。
肺の機能は加齢とともに誰でも低下してくるのですが、COPDの方は特に息が吐きにくい「閉塞性障害」という呼吸機能検査の異常が特徴的です。
診断はこれらの症状や呼吸機能検査などの所見により行いますが、一度構造変化を起こしてしまった肺を元に戻すことは出来ず、COPDは予防・早期発見が特に重要です。
長期間の喫煙歴があり、このような症状が気になる方、または健診の呼吸機能検査で異常を指摘された方は、一度お近くの『呼吸器専門医』に御相談下さい。
まずは「COPDという病気を知る」ことから、当院で一緒に始めましょう。