COLUMNコラム
台風と気象病
夏の疲れが出て来やすい時節ですが、皆さま体調は如何でしょうか。
今年も連日猛暑だった夏を過ぎて、台風などの発生により天気が不安定になる季節に差し掛かりましたが、「朝目覚めた時からなんとなく調子が悪いと思っていたら雨だった」というように、天候により体調が大きく左右される方は、意外に多くいらっしゃると思います。
呼吸器内科の分野では、気管支喘息や咳喘息、気胸など、特に台風の発生などによる気圧の変動に伴って格段に増える疾患が多いですが、その他の分野でも頭痛や関節痛などの疼痛疾患や、めまい症などの内耳疾患、うつ病などの精神疾患が、天候や気圧の影響を受けやすい病気としてよく挙げられます。
これらは気象病と呼ばれており、気圧の急な変化により自律神経が刺激され、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることにより、交感神経による痛み刺激が活発になったり、末梢血管を収縮させることにより内耳の血流が悪くなることなどが、これらの症状の原因ではないかと考えられています。
こういった天候や気圧の変化が、生活リズムの崩れに重なり、体調不良を招きやすい原因にもなりますので、普段の生活の中から自律神経のバランスを整える習慣を保つことが重要と思われます。
具体的には、起床時間や就寝時間のバラツキを少なくして睡眠の質を一定に保つことや、食事を決まった時間に三食きちんと摂るように心掛けて頂くこと、また適度な発汗を促すようなスポーツや有酸素運動を取り入れていただくことなどがあります。
春先と並んで気象病の症状が悪くなりやすい季節になりましたが、自律神経のバランスを整える生活を心掛けて、これからの季節を気持ち良く過ごして行きましょう。
気象病と思われる複数の症状に悩んでいる方、当院でも『総合内科専門医』として、症状をひとつずつ丁寧に解決して行きたいと思いますので、お気軽にどうぞ御相談下さい。