COLUMNコラム
エアコンの風で咳が続く方が増えています
今年は記録的な梅雨入りの遅さで、もうしばらくはこのジメジメしたお天気が続きそうですね。
しばらく使っていなかったエアコンを再び使い始めた方も多いと思いますが、6月末頃から「エアコンの風で咳込むようになりました」という御相談が増えています。
呼吸器内科の疾患として、いくつか原因は考えられるのですが、まず一番に除外したいのが、前回もお話した『夏型過敏性肺臓炎』です。
『夏型過敏性肺臓炎』に関しては、咳の症状以外にも、発熱や低酸素血症による呼吸困難感などを伴うことが多く、胸部画像検査で肺野のスリガラス陰影や粒状影などの所見が確認出来ます。
もうひとつのよく出会う原因は、『咳喘息』の増悪によるものです。
エアコン内で増殖した『夏型過敏性肺臓炎』の原因と同様の真菌(カビ)を吸入することにより、『咳喘息』が増悪している例も多く見られますし、またエアコン内を清潔に保っていても、元より『気管支喘息』や『咳喘息』をお持ちの方は、気流の変化やエアコンの冷気そのものにより咳症状が引き起こされることもあります。
また梅雨の時期は特に、高温多湿の気候によりダニが繁殖しやすくなっており、室内に多く溜まったダニの死骸や糞などのハウスダストが、エアコンの風で吹き上げられたものを吸入することで、『咳喘息』の増悪を来たしている例も少なくありません。
これらの季節特有の因子や基礎疾患など、様々な要因が関与して咳症状が続いていることがありますので、エアコンの風や気流の変化などで咳症状が続いている方は、ぜひ一度お近くの『呼吸器専門医』に御相談下さい。